导演:Eve Kosofsky Sedgwick
1985年、イヴ・K・セジウィックの名を広く知らしめ不動のものにしたのが『Between Men』(邦題『男同士の絆―イギリス文学とホモソーシャルな欲望』)である。本書は、フェミニズムからジェンダー論、レズビアン・ゲイ理論が興ってくるちょうど転換期に著され、そのパラダイム転換を象徴する書としてさまざまな分野から注目されてきた。あえて男性同士の関係を問題にした点でフェミニズム論の中で異彩を放っている。女性あるいは同性愛の抑圧機構を告発していくフェミニズムの方法は、逆に女性や同性愛者をマイノリティーの位置に執拗に固定化させてしまうという問題にぶち当たり隘路(あいろ)に陥っていた。そうした状況において、本書が提示した方法論は理論的突破口を開いたといえる。 また、本書の理論が徹底的にイギリス文学を読み解くことで構築されていることも強調すべき点である。文学を丹...(展开全部)