先天的な視覚障害者がSF映画を作れるのかに迫ったドキュメンタリー「INNERVISION インナーヴィジョン」や、フジテレビのドキュメンタリー番組「NONFIX」で放送された「バリアフリーコミュニケーション 僕たちはセックスしないの？できないの？」など、現代社会の固定観念を打ち砕く作品を世に送り出している佐々木誠監督が、アルトログリポージス（先天性多発性関節拘縮症）という障害を抱えながらも、障害者の社会進出や表現活動の重要性を発信してきた友人の門間健一を主演に迎え、「マイノリティとマジョリティその境界線を決めているのは誰なのか、何なのか」という問いを投げかけた作品。2008年公開のオムニバス映画「裸over8」の一編「マイノリティとセックスに関する、2、3の事例」をベースに、6年間の個人的記録としてメタフィクション的な手法を使いブローアップして長編化した。

アングラ劇団を主宰する演出家兼俳優の士朗。公演のチケットの売れ行きは上々だが、製作費用がかさみ、金欠状態。そこは、芝居が下手だが裕福な実家をもつ公彦が頼りだった。頼られる公彦もまんざらではない。しかし、士朗が大道具の三四郎・主役の圭と絡む姿を目撃し、ショックを受ける公彦。その後姿を消した公彦が自らを主演に据えた『カルメン』の台本を多額の持参金とともに持ち込んできたが…。

妻に愛想をつかされて浮気されている山田五平。離婚届をつきつけられ落ち込んでいると、突然、親戚の遺産で大金持ちに！そこから彼の周りには遺産目当ての女たちが次々と現れて…

不倫を続ける婦人警官と彼女を取り巻く男たちとの人間関係を、猟奇事件の進展に併せサイコ・スリラー風に描いたラブ・ストーリー。諸事情により劇場公開を見送られＯＶとして発表された作品が、東京・亀有名画座の特集上映で一般公開された。監督は「赤い犯行　夢の後始末」のサトウトシキ。脚本は「渇きの街」の神波史男と「日本製少年」の及川中の共同。撮影は「新・極道記者　逃げ馬伝説」の石井浩一が担当している。主演は元“Wink”の鈴木早智子で、単独では初の主演作となる。96年度製作作品。

山梨県のとあるドライブイン「山の幸」。そこで働く美人の光(原悦子)を目あてに、トラック野郎で今日も満員。実は、光は幼い頃に両親を亡くし、父親の友人のドライブインのお内儀の妙子(橘雪子)に引き取られ育てられたのだった。妙子はコックの礼吉(片岡五郎)や市会議員の田島(島村謙次)とも関係がある。光にはトラック運転手の片岡健二(加藤大樹)という彼氏がいる。ある日のこと、店に新婚旅行中だという美保(寺島まゆみ)と達朗(佐藤陽一)が立ち寄り、そこで口論を始めてしまった。美保の態度に冷めた達朗はそこから逃げ出してしまい、一人になった美保はそのまま店で住み込みで働くことになった。一方、妙子は光の見合いの話を進めていた。田島が中をとりもつ見合いの席。あまり気乗りしない光は片岡の顔が思い浮かぶ。その頃店では礼吉と美保が成之でセックスの真っ最中。見合いから帰った光は妙子に断ってほしいと切願する。そこで妙子と美保と礼吉は、どうやら光に恋人がいるらしいと確心した。そして、美保は光と片岡のデートを目撃。ところがある日の夜、光が片岡を待っているところに、三人のチンピラがやって来て「片岡を出せ」と凄んだ。そして彼がいないと分ると三人は彼女を犯して行った。傷ついた光が店に戻ると、全身アザだらけの片岡もその言葉を受けてやって来るが、礼吉と妙子に冷たく追い返される。片岡は光に全部遊びだったと冷たく言い放つ。その言葉を受けて光は見合い相手との結婚を決意する。結婚式当日、店は臨時休業だったが、美保の元へ逃げた達朗が舞い戻ってきた。そして仲直りを迫ると美保は彼を許してしまった。それから美保は急に店を飛び出すとなんと片岡を連れて戻ってきた。美保は花嫁衣裳の光と片岡を別室で引き合せる。「今だけでも私を愛して」と言う光。その言葉に、片岡の感情は一気に溢れ出て二人は抱き合った。花嫁衣裳の裾が割れ、光のなまめかしい太腿が露わになった・・・。 　　平和な生活の中にはそれなりに悩みがあり、秘密がある。ドライブインで働く身寄りのない若い娘と、彼女の周囲の恋人、人の良い人間たちがまき起こす騒動を描いた爽やかなポルノ。1980年度作品。

美容師の遥香（松井愛莉）は5年間、彼氏ナシの25歳。 　　クリスマス迫る12月。友人の七海（金澤美穂）からワインパーティーに招待された遥香は、場になじめず、気疲れしてしまう。 　　そんな遥香に優しく声をかけてきたのは、文具メーカーで働く俊一（古川雄輝）（28）だった。俊一の落ち着いた振舞いと優しい笑顔に惹かれた遥香は、思い切って連絡先を交換する。 　　その数分後、同僚の梨紗（中村里帆）から呼び出される。そこは、以前勤めていた美容室の後輩・航（飯島寛騎）の家だった。仕事に悩む航を励ましていた遥香は、いきなり航から告白される。 　　5年間、ずっと恋ができなかったのに、同時に2つも訪れた。 　　「どっちも好きで、どっちも選べない……」 　　2つの恋の迷宮に迷い込む遥香。 　　揺れ動く遥香の心をよそに、決断のクリスマスイブが迫る―― 　　遥香と俊一、航の三角関係は波乱の展開へ！ 　　遥香が最後に選ぶのはいったいどっち！？

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現実と虚構の狭間で連続殺人事件に巻き込まれていく女性の旅路を描き、物語における主人公の本質に迫った空想連続活劇。 　　久坂部碧は幻影に囚われていた。それは光あふれる教室の窓辺で本を読む青年と「漣聖司」と書かれた檸檬色の栞で、いずれも碧には見覚えがない。しかし碧は突如として、漣聖司と架空犯罪調査局をめぐる連続殺人事件に巻き込まれてしまう。現実と虚構の狭間で事件は次第にエスカレートし、やがてひとつの真実にたどり着く。