导演:川合安
【序論より】(抜粋) 本書は、中国の江南で五世紀から六世紀にかけて展開した政治社会体制、すなわち南朝貴族制を取り上げて、その具体相を究明することを通じて、大正時代の内藤湖南以来、わが国の六朝隋唐史の最も重要な研究テーマの一つである「貴族制」とは一体どのようなものであり、中国史上においてどのような意味をもっていたのかを解明しようとするものである。ところでこの「貴族制」は、「貴族制」の下での皇帝権力が貴族層によって大きく掣肘されているという「貴族政治」の側面と、貴族階層が累世高位高官を輩出し、同等の貴族階層の間で通婚することによって、固定化して閉鎖性を強めたという「貴族制社会」の面と、大きくいって両面から論ぜられる傾向があった。この論点は現在に至るまで基本的に継承されている。第二次世界大戦後、一九五〇年代に貴族の官僚的側面を重視する傾向が強まるなかで、い...(展开全部)