2004
导演:岩井 俊二
映画『スワロウテイル』や『ラヴレター』などを監督した岩井俊二が、14歳の少年の心象をリアルにつづった映画『リリイ・シュシュのすべて』を、自ら小説化したものだ。いじめ、売春、万引き、死といった生々しい場面を繊細な筆致で描き、映像作品の美しさそのままの世界を作り上げている。 主人公の蓮見は、家庭にも居場所がなく、同級生の星野たちからも陰湿ないじめを受けている。そんな蓮見の心の支えは、歌手リリイ・シュシュの紡ぎ出す音楽と、ほのかな恋心を抱いている相手、クラスメートの久野陽子だった。だが星野たちの手によって、神聖な存在である久野が汚され、唯一の救いであるリリイ・シュシュのコンサートへ行くのも妨害された蓮見の怒りは、ついに残酷な形となって爆発する。 フィクションである本書に現実味を持たせているのは、リリイ・シュシュの存在だ。架空の人物であるにもかかわらず、各章...(展开全部)