导演:赤井益久
【「はじめに」より】(抜粋) 『河東記』は、唐の開成(八三六〜八四〇)頃の成立と推測される、志怪伝奇小説集である。周知のように中国古典小説は、唐代(六一八〜九〇七)において飛躍的な発展を遂げ、特に中晩唐期には、後世名作と称される短編や著名な作品集を輩出した。当時の知識人層が小説という新しいジャンルに大きな関心を寄せる風潮のなかで、この小説集も誕生したと考えられる。 ただ、この時代の多くの小説集と同様、『河東記』成立に関する詳細は不明で、しかも早くに散逸して伝わらない。『太平広記』をもとに収集できる現存作品は三十四篇で、中国文学史あるいは小説史の記述においても、しばしば省略の憂き目に遭っている。そうした知名度の低い、謂わば埋もれかけた小説集ではあるが、現存の諸篇を通覧してみると、貴重な資料的価値や、高い文学的完成度を有する作品に行き当たって思わず胸弾む...(展开全部)