导演:斎木哲郎
本書では十篇の論文が收められ、その内既出の論文は二篇であり、しかもその二篇とも改修ないし大幅な加筆が施されており、それ以外の八篇はいずれも初出であって、本書の體裁はほぼ世にいうところの「書き下ろし」に近い。或いは、本書は私が後漢の儒教をどのように見ているかを世に示す初めての機會であるかもしれない。そうであれば、本書は先に刊行した私の『秦漢儒教の研究』の姉妹篇とも目されよう。その意味では、本書のタイトルも「後漢の儒教と『春秋』」とすることが相應しかったのかもしれない。けれども、私はそれを敢えて「後漢の儒學」と改めた。儒教經典の解釋學が中心であるから「儒學」が似つかわしいとの思いは勿論あった。けれどもそれ以上に私には、たわいもないこだわりであるが、そうしなければならない私なりの理由があったのである。 前漢の儒教が展開する場は、國家權力の構築や治世・統治の...(展开全部)