1989日本
导演:河村雄太郎
演员:吉永小百合 笠智众 藤龙也
未亡人の美しい嫁に近づく危険な感じの男。義父は嫁の微かな変化が心配で調査に乗り出す。じつに丁寧に心の揺れを描いた意欲作。義父(笠智衆)と人息子の三人で平和に暮らしている未亡人(吉永小百合)が、野心的な実業家(藤童也)の激しい求愛に心を揺さぶられ、ついに彼の愛に目ざめていくという女性の心の動きを描いたドラマ。山田太一の脚本はこの女性の心理的な動揺を克明に追いかけ、嫁としての義父へのいたわり、母としての息子への責任などに悩みながら、やがて一人の女としての幸せを大切にしていくというプロセスを巧妙に描いていた。また、河村雄太郎の演出は、この山田太一脚本の美点をよくとらえ、静的な映像美で見事にテレビドラマ化していた。しかし、アメリカのテレビドラマの草創期の名脚本家パテイ·チエフスキ一がとなえていたように、スライス.オブ.ライフ(人生の細部)を描くことがテレビドラマの特質だという古典的なセオリ一を守た作品で、野心的な試みがほとんどみられなかたのは残念だた。山田太一ドラマはこれまで何かに挑戦する野心がどこかにあり、つねに前向きに脚本を書き続けていた。今回の作品は確かに着実に巧みに仕上げられ、さすがに一流作家らしい品位もあったが、吉永小百合扮するヒロインの人間像に対する取り組みがいつものような激しさがなく、穩やかすぎて、いまの女性らしさが感じられなかたのが最後まで気になた。