导演:斯波 六郎
「文選李善注所引尚書攷證」は、昭和十七年八月二十五日に油印にて刊行されたもので、上下二冊に分かれていた。当時発行部数少なく、特別の関係の人でなければ、これを見ることはできなかった。 本書は、全体を三篇に分かち、第一篇は「文選李善注引文義例攷」、第二篇は「文選李善注所引尚書條攷」第三篇は「李善本尚書総攷」である。第一篇の第一章「引拠各本文選李善注優劣攷」では、当時知り得た「文選」各本について、「文選」の旧を残すか否かについて、詳しく検討を加えている。第二篇「文選李善注所引尚書條攷」は、先生の最も力を注いで、最も苦心されたところであろう。第一篇で、「文選」諸本の長短優劣を明かにし、現今通行している胡刻本が比較的優れていることを確認した上で、李注引文の義例を明かにし、かくて中心の「李善注所引尚書攷」の論攷に入るわけである。かくて先ず「胡克家重彫宋淳煕刊本」...(展开全部)