导演:梅森直之
広がっていく経済的不平等や、そこに生まれる暴力から人間をいかにして救うのか。この困難な課題に正面から向き合い、思索し戦った…日本の初期社会主義は、明治後期に誕生した、日本で最初の資本主義への意識的な対抗思想・運動であった。本書はこうした日本資本主義批判の系譜の根源に立ち帰り、大杉栄をはじめとするさまざまな初期社会主義者たちの思想と行動の意味を、かれらが生きたグローバルなコンテクストとともにあきらかにしていく。既存の社会主義に対してこれまで加えられてきた批判を意識しつつ、初期社会主義を読み直すことにより、その思想と運動の豊かさを再提示する。