导演:島田 荘司
昭和五十七年師走。四谷の雑居ビルで放火と思われる火事があり、焼け跡から若い夜勤ガードマン、土屋昌利の焼死体が発見された。出火当時、土屋は多量の睡眠薬を服用していたが、仕事仲間の話では、彼は薬には無縁のタイプだった。 自殺とも、他殺ともつかぬ疑惑の中、土屋のアパートを捜索すると、部屋は不気味なほど整理されている。どうやら噂の婚約者が事件の日、自分が存在した証拠をすべて消して、行方をくらませたものらしい。部屋に残されていたアルバムにも女の写真はなかったが、「寒子」と書かれた白い紙きれが見つかる。これが女の名前なのか? 捜査にあたった一課殺人班の中村吉造は、「寒子」という手がかりから、大都市「東京」に消えていった「幻の女」を追う。 苦心の末中村は、女の友人である伊比敦子から、女が土屋の元から姿を消した後、神楽坂の「布袋屋」という由緒ある呉服問屋で働いている...(展开全部)