2008日本剧情·短片
导演:市川準
演员:砂原由起子 鯖吉 山崎隆明
大阪から、失踪した兄を捜しにきたユキ。
はじめての東京。
その片隅で、焦燥感と空虚感の間を揺れながら生きる人たちの心模様。
東京・秋葉原。同僚のスミちゃんと共に大阪から上京し、秋葉原の駅に降り立つユキ。スミちゃんと駅で別れたユキは駅前の大きなビルの前で、蒸発した兄・ヒサシの大学時代の先輩・山口と落ち合う。今は広告代理店で仕事をしているという山口。ユキは、まったく消息がわからなかったヒサシから最近葉書が届き、住所が書いてあったことを話す。山口は、ノートパソコンを開きヒサシ宛に手紙を書き、「会ったらよろしく」と忙しそうにビルへ戻って行った。葉書の住所をたどってバスに乗ったユキ。東京の町並み。たどり着いたのは吾妻橋のたもとだった。隅田川に添って点々とダンボールの家がある。その片隅のひとつからゴソゴソと人が出てくると、それは兄ヒサシだった。やがてとつとつと話し始める兄妹。東京で生きるということ。二人は、今は浅草に住むというヒサシの元妻・トモ子に、二人で会いに行くことになる…。
東京で生きるということ…。
『東京夜曲』『トニー滝谷』の市川準監督は、この小さな映画を遺して、2008年9月19日未明に急逝されました。
「もうわたしら、確かめ合うのやめようよ…生きとったらあかんとか、生なあかんとか、そんなん確かめんの、もうやめよ」
『buy a suit スーツを買う』の中で、今は浮浪者になっている夫ヒサシと再会したトモ子は、こんな台詞を口にします。「この台詞を思いだすと、なんだか勇気がわいてくる。」市川準監督が遺したメモには、こんな言葉が書かれていました。
市川準監督は、この作品の本編集を終えた2009年9月19日未明に急逝されました。『BU・SU』から始まり、『東京夜曲』、『トニー滝谷』と、これまで17本の長篇劇映画を作られた市川監督が、「勢いだけで描いた“線”のような」、「ヌーヴェルヴァーグが16mmのカメラを持ち、外に飛び出してノーライトで映像を撮りはじめた当時の“初心”のようなものが、今回、自分の気持ちの中にもあったような気がする。」と、昨年の12月、自らもカメラを回し、出演を普段からキャラクターが面白いと思っていたCMの仕事仲間に依頼して、作られた作品です。妻と別れ、失踪した兄を大阪から探しにきたユキ。東京はダメになってしまった、と呟く兄との再会。オール“関西弁”で紡がれる会話と、焦燥感と空虚感の間を揺れながら、そっと繋がって生きる人たちの心模様を、切なくも温かく映し出した作品です。